未成年者の契約は親の同意がなければ取り消しができる

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未成年者の契約は親の同意がなければ取り消しができる


未成年者が親に無断でした契約はいつでも取り消せる、という法律があります。
下記は実例です。

Aさんには子供が二人いて、長男のB君がAさんに無断でAさんを保証人にし、数十万円もするギターを購入したのです。
しかしB君はギターの返済をせず、ローン会社はAさんに支払を請求しました。
しかしローン会社はAさんに保証人の確認はしていませんし、B君も勝手に保証人欄にAさんの名前を書いたため、Aさんは支払請求をされてはじめてそのことを知りました。

Aさんは「保証人になった覚えはない」と支払を拒否しますが、ローン会社は「支払ってくれないと息子さんを詐欺で訴える」といいます。

Aさんは市民法律相談に行き、弁護士に相談すると、弁護士は「息子さんがしたギターの契約を取り消せばいいのです。そうすればローンを払う必要がなくなりますよ」といい、今すぐローン会社と販売店に「契約を取り消す」と通知するよう指示したのです。
親の同意を得ないでした未成年者の法律行為は後から親が取り消すことができ、取り消すと、その行為は最初からなかったものになり、しかもAさん側はギターを返すだけでよいということでした。
たとえギターにキズがついていたとしても弁償しなくていいし、すでにローンをいくらか支払っていたとしても返してもらえると言います。

Aさんは、さっそく通知を出しました。
それ以降、ローン会社からの督促はありません。


さらにAさんはもう一人の子供であるC子さんの借金も、未成年だからと代わりに支払い続けていましたが、それも取り消せば澄むと思いました。
しかし、それは出来なかったのです。

それはC子さんは19歳の未成年ですが、すでに結婚していたからです。

残念ながら、同じ未成年の子供でも、民法上では、既婚者の場合、たとえ満20歳未満でも、成年に達したとみなされるため、契約の取り消しができないのです。

もちろん結婚しているからといって、20歳未満であれば、タバコやお酒は許されませんが、契約を結ぶのに親の同意は不要となり、親は子供の契約を取り消せません。

結婚していない場合で、満20歳に達しない未成年者は制限行為能力者で、保護者である親の同意なしにはローンを組むことはできません。
親の同意を得ずにした未成年者の契約は、親も未成年者自身も取り消すことができます。

未成年者の契約が取り消されると、その契約は初めからなかったことになります。
この場合、まだ契約内容を履行していなければ、履行の必要がありません。
しかし、すでに履行を終えた場合、受けた利益を相手に返還する義務が生じます。


ただし、未成年者の側は、その利益を現に残っている範囲で返せばいいのです。

上記の事例の場合、ローン会社や販売店は、受け取った金銭全額をB君に返済しなければなりませんが、B君の方はギターを今ある状態のまま返すだけでかまいません。
ギターにキズを付け、商品価値が下がっても、弁償の必要はないのです。

しかし、このような取消権を無期限に認めると、未成年者と取引する相手方はいつまでも不安定な状態におかれます。

そこで、取引の安全を保護するため、民法は未成年者の相手方に催告権を認めています。
これは、未成年者の親に対し、一ヶ月以上の期間を定めて、取引を取り消すか、それとも追認するか、返答するよう催告できる権利です。

その期間内に返答がなければ、その親は子供の行為を追認したものとみなされます。

親が追認した場合、未成年者は契約内容を履行する義務を負います。


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