石油はどうやってできるのか、その起源説を解説

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石油はどうやってできるのか、その起源説を解説


石油はどうやってできるかについては生物が元になったとする説や、地球深部の化学反応により形成されたとする説などがありますが、現在もっとも有力なのはケロジェンを基とする生物起源説で、ほとんどの石油会社はこの考え方で探査方針を決めています。

植物プランクトンや藻類はその死後、水中を浮遊し、やがて泥や砂とともに海底や湖底に沈んで堆積物となります。
堆積物の中では生物の遺骸はバクテリアによる分解作用を受け腐植物質へと変化します。
バクテリアが生体有機物を分解するときにメタンガスを出しますが、このメタンガスは生物起源メタンとも呼ばれ、関東平野や房総半島などの地下水に溶け込んでいる重要な天然ガス資源と同じ起源です。

腐植物質を含んだ堆積物が地下深くに埋没すると、堆積物は地下の熱や圧力によりだんだんと固化するとともに、腐植物質はケロジェンと呼ばれる炭素、水素、窒素、硫黄などの高分子化合物の集合体に変化します。
ケロジェンがさらに地下深く埋没し100度を超えるような温度にさらされると熱により分解され始めます。
この分解により生成する化合物が原油と呼ばれるものです。
原油は100~150度位の温度帯で生成しますが、このときの深度は地下3000~5000メートルです。
天然ガスはケロジェンやケロジェンから生成された原油が5000メートルを越えるような深度にまで達することにより形成されます。
この反応は数万年あるいはもっと長い地質時間をかけたプロセスです。
このようにしてできた世界の主要な油ガス田の地質年代はペルム紀、ジュラ紀、白亜紀が多いのですが、日本の油ガス田の場合は非常に新しく、新生代(6600万年前以降)の中世から更新世にかけてのものです。


原油は通常、深度数千メートルの地下の地層にある隙間に存在しています。

海や河川などに体積した砂や泥の粒子は、粒子間に隙間を持ち、その隙間に水を蓄えています。
長い年月と共に、さらに砂や泥の粒子が体積して埋没した地層は、深度を増すと共に隙間を失っていきます。
岩石の単位体積に対する隙間の割合を孔隙率と言います。
孔隙率は地層の埋没によって減少しますが、地層を構成する岩石の種類によって異なり、地下数千メートルでも条件さえよければ20~30%の孔隙率を保つ事ができます。
これら孔隙率の大きい岩石を貯留岩と呼びます。
最も一般的な貯留岩としては、砂の粒子が固結した砂岩やさんご礁を起源とする炭酸塩岩などがあげられます。

根源岩から生成された油やガスは、貯留岩の孔隙でもともと存在している水と共存する事になりますが、これら油やガスは水よりも比重が軽いため、孔隙中をより浅い方へと移動します。
油田やガス田が成立するためには、貯留岩中を移動した油やガスが特定のエリアに集まる必要があり、このような地質構造をトラップと言います。
最も分かりやすいトラップとして、地層がお椀を伏せた形状を示す、背斜型トラップがあげられます。
ここでお椀の役割をするのが、帽岩と呼ばれる、孔隙率の小さい、低浸透性の地層です。
帽岩は油やガスをトラップした後にも断層などにより破壊されることなく保存される事が重要です。

地下数千メートルは、地上に比べると、温度・圧力が非常に高い世界です。
そのような、高温・高圧の環境下で、油やガス・水はまさに地層の隙間に押し込まれているといえます。
このため、油田で巧井が掘削されると、地上との圧力差により油が地上まで噴出します。
噴出した油は地下の高温・高圧から開放され、油に溶け込んでいた天然ガスが遊離して出てきます。


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