交通事故で代車料が請求できる判例と慰謝料の逸失利益など

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交通事故で代車料が請求できる判例と慰謝料の逸失利益など


交通事故で代車料が請求できる判例

高級車との物損事故で問題となるのは、修理代の他に、代車料の問題もあります。

事故の被害者は、全損の場合には新車の買い換えに必要な期間、修理で棲む場合には、修理期間中は車を使用することができません。

その間、他の車を賃借した場合には、その費用は損害となります。
これが代車料と言われているものです。

では、どんな場合に代車料が請求できるのでしょうか。
単に、日常使用しているからという場合には認められません。
営業車両のように、車がないと営業に差し支えるなどの理由がなければ、代車料は請求できません。

しかし、請求できる場合でも、被害車両がベンツとか、ポルシェといった高級外車の場合には、それと同等の高級車のレンタル料を請求できるでのでしょうか。

判例では、営業の性質から高級車を使用することが相当である場合には、事故車両に匹敵する代車料が請求できるなどの理由で、ポルシェの代車料として、1日につき10万円の請求に対して、国産高級車の代車料38日分を認めています。


被害者でも賠償金を払わないといけない場合もある

不法行為による損害賠償を請求する場合、被害者にも過失があれば賠償額を減額される過失相殺は、公平さの観点から合理的なものとして利用されています。

特に、交通事故の場合には、過失割合に応じた減額は、損害賠償請求ではもちろん、任意保険でも自賠責保険でも、利用されています。

そして、衝突事故の場合、過失が少ないほうが被害者と考えられますが、被害者のほうが損害賠償を多く負担させられる場合があります。

A車とB車が衝突し、A車の損害が150万円、B車の損害が80万円かかり、過失割合はA車が150万円、B車の損害が80万円かかり、過失割合はA車が4割、B車が6割だったとします。

この場合、AはBに対し、150万円の4割である60万円を、BはAに対し80万円の6割48万円を賠償しなければなりません。
その結果、過失の少ないAがBに12万円も余分に支払い義務を負うというおかしな結果も出てきます。


慰謝料の逸失利益とは

逸失利益というのは、被害者が事故にあわなければ将来得られたはずの利益のことです。
もし、生きていれば、10年先、20年先に得るはずのお金を、現在、一括して受け取るわけですから、この間の利息分を差し引かないと不当に受け取ることになります。
例えば、銀行で約束手形を割り引く場合、手数料の他に支払期日までの利息を前もって差し引かれることと同じです。

この利息分を控除することを、「中間利息の控除」と言います。
中間利息は、民事の法定利息である年5%です。

中間利息の控除方法には、中間利息を単利で計算したホフマン式と複利で計算したライプニッツ式とがあります。
これについては、平成11年に東京、大阪、名古屋の民事交通部の裁判官の提言で、ライプニッツ式に統一されています。

つぎに、中間利息の控除で用いられる5%の問題があります。
最近、地域の判決では、3%としたものや4%を認めたものが相次ぎました。
低金利の今日、控除率が高すぎるという意見があってのものです。

このように判例は分かれていましたが、最高裁判所は民事法定利率の年5%によらなければならないとしました。


損害賠償額の男女間での格差

交通事故で死亡した場合、治療費などの積極損害や慰謝料の算定は男女で異なることはありませんが、大きく異なるのが、死亡しなければ将来得られるはずであった逸失利益です。

憲法では男女平等が定められ、男女雇用機会均等法などの法律により、性別による平等が指向されてはいるのですが、現実には、男女間の賃金には、厳然たる格差があります。
逸失利益は収入を基に計算しますので、結構な格差が出ることになります。

学生や生徒など実際に収入のない未成年者の場合、逸失利益の算出には、裁判でも、保険の実務でも、全国の労働者の平均賃金の統計である賃金センサスが用いられています。

男女別の賃金センサスを収入の基礎として、損害賠償における逸失利益を算出する限り、男女間の格差が解消されません。

裁判でも、生活費の控除割合を少なくするなどの方法で、格差を解消するための努力をしてきましたが、それで問題は解消できません。

最近になって、従来の性別による賃金センサスではなく、全労働者の平均賃金を利用して女子の逸失利益を算出する画期的判例が相次いで出されました。
ただし、現在、判例は分かれています。


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