有料老人ホームの利用権方式と賃貸借方式とは、その違いや契約を解説

老人ホームを表現した画像

有料老人ホームの利用権方式と賃貸借方式とは、その違いや契約を解説


有料老人ホームと契約する場合、入所契約によって得られる権利の内容が異なる場合があります。
権利の内容によって大きく分けると利用権方式と賃貸借方式の2つがあります。

・利用権方式
入所契約の内容が居室および共用部分の利用および介護などのサービスの終身利用権となっている契約方式です。
本人が亡くなった場合、利用権は相続の対象とはなりません。
利用権方式は、賃貸借契約と介護サービス利用契約の双方の性質を持つ契約だと考えられます。
この方式については根拠となる法令はありませんが、ほとんどの有料老人ホームがこの方式を採用しています。

・賃貸借方式
入所契約の内容が、居室に関する建物賃貸借契約となっている契約方式です。
借地借家法が適用されるため居室の使用に関する権利は強く保護され、賃借権は相続の対象となります。

・終身建物賃貸借方式
高齢者住まい法に規定された要件を満たした賃貸借契約です。
本人が亡くなることにより契約が終了することになりますが、権利金の授受禁止や事業者からの解約の制限など、一般の賃貸借契約より存命中の賃借権の保護が強化されています。


保証人と身元引受人

有料老人ホームだけでなく、多くの住まいでは契約にあたって保証人を立てることを求められます。
保証人となる方は、入居者の債務について、入居者が支払わないときに支払いをする義務を負うことになります。

本人に十分な財産があって、利用料などの支払いについて心配する必要がなく、身近な親族に保証人を引き受けてもらえる場合はあまり問題ないかもしれません。
しかし、身寄りがなく保証人を引き受けてくださる方が見当たらない場合は、入居を断られてしまう可能性があります。

保証人が見つからない方については、保証を引き受ける団体も存在します。
しかし、保証を依頼するに当たって、高額の手数料などを支払わなくてはならないこともあるため、利用する場合には手数料などの契約の内容を十分に確認する必要があります。

また、有料老人ホームの契約にあたっては、身元引受人を立てることを求められることも多いです。
身元保証人と呼ばれている場合もあります。
保証人が主に利用料の支払いなど金銭に関する責任を負担するのに対して、身元引受人は入居者が亡くなった際に、遺体や荷物の引き取りを求められることになります。
契約書によっては、身元引受人が保証人を兼ねていることがありますので、注意が必要です。

身元引受人についても、引き受ける団体がありますが、手数料など契約内容に注意が必要なのは保証人の場合と同様です。
さらに、身元引受ばかりではなく、葬儀・埋葬まで引き受けるという団体なども存在します。
しかし、亡くなった後に希望しているとおりの葬儀や埋葬が行われるかは自分で確認することができませんので、委託先との契約内容は十分に注意をする必要があります。


入居一時金

有料老人ホームなどでは、入居時に一時金の支払いを求められることがあります。
かなり高額な一時金の支払いを求められる施設もあり、退去時の一時金の清算についてトラブルが発生することも多いので注意が必要です。

また、有料老人ホームでは、平成23年の老人福祉法の改正により、一時金の受け取りと退去時の返還について法律による規制がなされることになりました。
これにより、平成24年4月1日以降に入居する場合は、下記の老人福祉法に規定されている一時期に関する規制に従った契約内容となります。

1.一時金の内容に関する規制
有料老人ホームについても事業者は、家賃、敷金、介護などサービス提供の対価以外の金品を、権利金などの名目で受領してはならないとされています。
また、事業者は、前払金の算定方法について、書面で明示しなければならなとされています。

2.一時期の返還に関する規制
有料老人ホームが受け取る一時金について、家賃などの前払い金については、サービス付き高齢者向け住宅と同様の規制がなされています。

しかし、平成24年3月31日までに有料老人ホームの設置に関する届け出をした施設については、3年間の猶予期間が設けられているため、平成27年4月1日から規制の対象となるので注意が必要です。


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