ビールに含まれるホップとは何か、その役割と種類

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ビールに含まれるホップとは何か、その役割と種類


ホップとは何かを説明する前に、ビールにおけるホップの役割を紹介します。

その主たる役割とは、苦味づけ、香りづけ、風味づけの3点です。
ちなみに香りと風味とは異なります。
香りは、口にビールを含まなくてもグラスに注いだときから感じ取れる匂いで、風味は、ビールを口に含んだときにはじめて感じる匂いのことです。

ホップには様々な品種があります。
苦味づけ、香りづけ、のすべての役割を担える品種もありますが、普通、品種ごとに役割に応じての交不適があり、下記の4種類に分類されています。

・ファインアロマホップ:苦味が少なく上品でおだやかな香りのホップ

・アロマホップ:香りが強く、苦味は強くないホップ

・ビターホップ:苦味成分の含有量が多いホップ

・デュアルホップ:香りづけ、苦味づけの両用に使われるホップ

以上の役割は確かに重要ですが、ホップにはこれ以外の役割もあります。
殺菌、清透、泡持ちなどです。


植物としてのホップとは

ホップはアサ科のつる性植物です。
多年草で和名はセイヨウカラハナソウです。
成長に伴い時計回りにつるを巻きます。
成長は早く、条件が良いと1日で30cm、通常でも1週間で60cmも伸びます。
したがって、成長期には相当の水が必要です。
雄雌異株で、ビールに用いるのは、雌株に7月頃から9月頃にできるコーンといわれる部分です。

コーンは、茎の周りが何枚もの花びら状の苞葉で覆われており、この苞葉の間には0.1mmほどのルプリンといわれる黄色い粒子がたくさん詰まっています。

苞葉とルプリンがコーン全体に占める割合は、それぞれ約84%と16%です。

苞葉に含まれる成分はセルロース、リグニン、水分、ミネラル、タンパク質、ポリフェノール、脂質、ワックス、ペクチン、単糖類、アミノ酸で、これらは麦汁中で沸騰されても、香り・風味・苦味づけに対する影響は小さい。


なぜビールにホップが必要なのか

実は古代のビールにはほっぷが入っていなかったのです。
ホップがビールの定番になったのは、ビール6000年の歴史の中でむしろ最近で、長い歴史のうちの10分の1以下程度の時間、ここ数百年のことでしかありません。
それまで味つけや風味づけには、種々のハーブが用いられてきました。
ホップもその種々の香草の一種にすぎなかったのです。
古代から時は過ぎ11世紀。
中世ヨーロッパ最高の賢女と謳われる宗教家兼作曲家兼本草学者のヒルデガルト・フォン・ビンゲン女史が、ビールにホップを用いた場合の効能を、最初に文献に記したといわれます。

しかし、中世には、グルートと称する複数のハーブの配合物がビールに用いられるのが通常で、このグルートの製造は、時の権力者である教会や領主などが独占していました。
この既得権をホップに奪われまいと、権力者はホップを排斥していたといいます。
必然的に、グルートの配合は秘密になっています。

権力で守られていたはずのグルートですが、いつしかホップが着実に実績を伸ばし、最後には実質的に他の一切のハーブをビールから駆逐してしまいます。

その理由は、ホップにはあって、ハーブにはない何かがあるからでしょうか。
その1つに泡持ちがあげられます。
ただ今でこそビールに泡は必須ですが、当時は果たしてその必要があったのでしょうか。
当然、ホップの個性的な味もその理由かもしれません。
その他の理由となると、ビールの保存性を高めること、つまりホップの殺菌性などでしょうか。


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