日本の領海、排他的経済水域とは、領海と排他的経済水域の違いを解説

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日本の領海、排他的経済水域とは、領海と排他的経済水域の違いを解説


公海と領海とは何か

海は、基本的に公海と領海に分けることができます。
どこの国の管轄化にも属さない海を公海と呼びます。
公海は、人類の共通財産と考えることができます。
誰の専用でもないのです。
対して、沿岸国の国家主権の及ぶ海域が領海です。
第二次世界大戦後、海洋開発の技術が進み、海の開発、利用を巡る国家間の対立の兆しが見えるようになり、国連の場で海洋法の議論が始まりました。
しかし、できるだけ領海を広くし、自国の沿岸を守り、将来的な開発の余地を残したい発展途上国と、世界の海を自由に開発したい一部の先進国の意見が対立しました。


排他的経済水域とは何か

海洋法の議論は、24年間にわたり続けられ、その結果、国連海洋法条約が1982年に採択され、1994年に発効しました。

この条約では、沿岸国の主張できる領海の幅を12海里までとしています。
12海里は約22キロメートルです。
さらに沿岸国には、海洋資源開発や漁業などの経済的な権益を独占することができる「排他的経済水域」が最大で200海里(約370キロメートル)まで認められています。

領海と排他的経済水域の違いですが、排他的経済水域は、国の沿岸から200海里の範囲、領海は、基線から12海里までの範囲の水域を指しますので、その範囲が大きく違います。
また、領海では、その国の主権が及ぶため、法律を制定する事ができます。
排他的経済水域は、範囲内の水産資源および鉱物資源などの非生物資源の探査と開発に関する権利を得られるものです。

世界中の海で、広範囲に海底資源開発を進めてきたアメリカは、いまだに国連海洋法条約を批准していません。

国連で海洋法の議論が進む中、日本は、1977年に世界の趨勢に合わせ、領海幅を沿岸から12海里とする「領海および接続水域に関する法律」を制定しました。
ただし、外国船が数多く通過する宗谷海峡、津軽海峡、大隅海峡、対馬海峡東水道、対馬海峡西水道の5つの海峡は「特定海域」と定め、領海幅を3海里の約5.6キロメートルとして、海峡の中央部を公海とし主権を行使することを放棄しています。

なぜ日本がこれらの海峡の領海幅を3海里としているかというと、仮に領海内を他国の核兵器搭載船舶が通過すると、「核兵器の持ち込み禁止」の原則に抵触するためだと言われています。
核兵器を搭載した他国の軍艦が、領海内を通ることを見過ごしにはできないので、見ないで済ませるためにあえて管理する権限を放棄したということのようです。


しかし、領海を放棄するということは、当該海域における国家の主権を失うことになり、犯罪の取り締まりや行政的な指導、海洋汚染防止のための法的な権限も行使することができません。

例えば、公海を航行中の船内で起きた犯罪は、その船の国籍にあたる船籍を登録している国が管轄することになります。
2003年に刑法が改正され、日本人が被害を受けた場合は、船籍国の許可を受ければ、犯人を逮捕し日本の法廷で裁判を行うことができるようになりました。

しかし、あくまでも船籍国の許可が必要ですし、公海であれば、海峡内における他国の海軍の威圧的な行為、示威行為も自由になります。
津軽海峡や対馬海峡の真ん中で、他国の軍艦が停船し、日本に大砲を向けても文句は言えないという現実があるのです。

そして、領土、領海の上空が領空です。
領空を通過する場合には、当該国の許可が必要です。
無断で領空に入った場合、領空侵犯となり撃墜の対象となります。
2015年、トルコが領空を無断で通過したというロシア軍機を撃墜したという事実もあります。
多くの国では、領空侵犯を未然に防ぐため「防空識別圏」を設定し、事前に飛行計画の提出を求めています。
無断で防空識別圏に侵入した場合、警告の対象となります。
航空機の速度は速いため注意をしなければいけません。

海は原則、自由に通航できますが、空に自由はありません。
これは、海のルールは国際ルールが制定される前に慣習法や既得権が存在していたため柔軟ですが、空のルールは最初から国際機関で厳格に作られたことによる違いです。


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