日本の農地に多い酸性土の土壌改良の仕方

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日本の農地に多い酸性土の土壌改良の仕方


日本の農地の条件は、欧米諸国に比べ、恵まれているとはいえません。
家族単位の零細経営が多く、農家一戸あたりの耕地面積が、都道府県では2.9ha、北海道でも25.87haと狭いので、大量生産によるコスト削減が難しいのが現状です。
また耕地の多くは火山灰土壌が広く分布しているため、土壌の多くは酸性土です。

作物を栽培する畑は、日照、水利などの条件が必要ですが、基盤となる土壌条件が悪いと質の高い作物は作れません。
特に野菜類は酸性に弱いものが多く、ホウレンソウはその代表的な作物として知られ、pH6.5から7.0がよいとされています。
そのほかのほとんどの野菜も、およそpH5.5から7.0の範囲が適正と考えられています。

このため酸性土が多い日本の農地では、土壌に植物質や鉱物質などの資材を投入して、土壌の生産力を高める土壌改良が必要な場合もあります。

また永年作物である果樹は、植え付けてからは同じ場所で長期間に渡って生育を行うので、ほかの作物と異なり、植替えや土壌の入れ替えなどが容易にできません。
そのため水はけ、日当たりのよい場所を選ぶことはもちろん、継続的に土壌改良を行うことも生産を安定させる1つの方法です。


土壌の改良は、土壌診断をして土壌の状態を知ることからはじめます。
一般に診断には、pHメーターなどを使って自分で調べる、農業普及センターに依頼する、農資材メーカーに依頼するなどの方法があります。

土壌改良の仕方には、物理的、化学的、生物的な改良があります。
物理的な改良としては、砂を投入し排水性を改善します。
また団粒構造の促進を図り、作物の根が張りやすい環境を作ることも重要です。

団粒構造とは、粘土や砂などの粒子、有機物由来の腐植物などが集まって1~5mm位までの塊になったものです。
大小さまざまな粒子が集まり、適度な隙間があるので、養分の保持、排水、通気性に優れ、植物栽培に適しています。

科学的な改良には、pHの矯正、養分含量の調整、保肥力の増大などがありま。
肥料や改良資材を使い、作物に適正な養分を供給できる土壌を作ります。

生物学的な改良は、土壌の中に棲息している微生物や小動物の種類や量を増やすことです。
土壌中の生物が増加すれば、有機物の分解が盛んになり、肥料成分の供給が増大するばかりでなく、土壌病害が起こりにくい土壌になります。

物理性、化学性、生物性のバランスが整った健康な土作りが良質の作物を栽培する基本ですが、土壌改良とともに考えなければならないのが排水対策です。
水はけの悪い土壌や多雨によって起こる被害を湿害といいますが、湿害がおきると根が酸素不足になり、作物が生育障害を起こしてしまいます。
暗渠排水を作り、必要なときに水田を乾田化するなどの対策が必要です。


また、施肥といって、作物の生育に適した養分を供給することも大切です。
同じ作物でも同じ収穫量を目標とする場合でも、気象や土壌などの条件によって必要な施肥量や施肥の時期などが異なるため、対象となる作物の栄養特性を把握し、地域の条件に応じた適切な方法を選択することが重要です。

植物はおもに根から水と無機成分を、葉から二酸化炭素を吸収して、養分としています。
植物に不可欠な栄養分として、チッソ、リン酸、カリがあります。

また肥料は大きく有機質肥料と無機質肥料に分けられます。
有機質肥料とはおもに油かす、魚粉、骨粉、鶏糞などで、微生物によって分解されてから植物に吸収されるので、効果はゆっくりと現れます。

無機質肥料とは、チッソ、リン酸、カリなど無機質成分のもので、1種類の成分のみを含む単肥と、2種類以上の成分を配合した複合肥料があります。
どちらも水に溶けやすいので、比較的早く効果が現れます。
必要なときに必要な量だけ与えることができるので、有機質肥料とうまく組み合わせて使用します。

肥料の与え方についても呼び名があります。
種をまいたり苗木を植えるときに事前に与える肥料のことを元肥、植えた植物の生長に応じて必要な養分を生長の途中で与えることを追肥といいます。
追肥では、栄養分が必要な時期と量を見極めて補います。


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